2年前から猛威を振るっている「コロナウイルス」。株は変異し、感染力を高め私達を脅かしています。介護の現場では感染リスクを避けるためにあらゆる対策を講じていますが、ウイルス感染を封じ込めることはできません。
「エッセンシャルワーカー」などとよばれる介護職の方たちは現場におもむき、日々奮闘されています。そんな、奮闘ぶりをご紹介させていただきながら、コロナウイルス感染に対する知識や予防方法がお伝えできればと考えています。
今回は、そのうちのひとつ介護現場で起きている感染状況の実際についてお伝えします。一緒に乗り切りましょう。
利用者様の日常の変化とサービス離れ
コロナ感染のニュースが連日テレビで放映されています。感染状況がどれほどのものか数値でわかるように毎日発表されます。それを受けて人の集まる場所へ出かけることや介護職が自宅に訪問することで自身や家族が感染するのではと怖がりサービスを受けることを控える方がおられます。
特にデイサービスの利用を控える方がいらっしゃいました。感染予防対策として必要なサービスを控えることは、日常生活に影響を与えます。ニュースを見て必要以上に怖がらないようにしてもらいたいと願い、気分転換になるようなテレビ番組の選択をするようお話してきました。
必要なサービスを受けないでいることは、その方の暮らしを正常化できず、生活の質を落とすことになりかねません。恐怖心ばかりに囚われてしまい精神面の健康も損なうリスクも大きいのです。
介護現場で起きている感染状況の実際
感染は広がりを見せています。毎週どこかのデイサービスやデイケア、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、訪問看護、訪問介護、訪問入浴などから「感染者がでた」との連絡を受けています。
施設系、通所系、訪問系例外なく感染が広がっていることがわかります。
入所施設ではクラスター化は当り前の状況となっている
以前であれば「クラスターがでた!」とニュースで大々的に取り上げられていましたが現状は、入所施設では感染が治まらずクラスター化している状況です。感染者がでても入院先はなく、「軽症」や「無症状」であれば介護の現場で療養をされている現状です。
施設内のスタッフ総動員で、健康な方と感染療養が必要な方の介護を同時に行っています。労力は相当なものと推測されます。精神面の負担も心配です。感染対策を十分してきた施設でさえも感染は防げずウイルスは猛威を振るっています。
介護では介護者との体の距離が近いのでマスク着用、ゴーグルやフェイスガード、防護服、手袋の着用と重装備で介護にあたります。職員は定期的にPCR検査を受けて感染者になっていないかを確認しています。
通所係サービスでのコロナ感染状況は同じ状況にある
通所系のサービスでも同じように感染者の報告がでています。職員や利用者様で感染者がでると、その方の出勤日や利用日の前後で感染者がわかることが多いです。利用者様には利用当日にご自宅で体温測定をお願いしていますが、サービス中に体調を悪くされ、感染がわかることもあります。
職員一人ひとりが普段の生活からコロナ感染対策をとり施設では、手指消毒の徹底、マスク着用、席の間隔を保つ、換気、食事時の飛沫感染対策として間仕切りの設置など環境対策をしてきてもウイルスは猛威を振るっています。
訪問系サービスでの頃感感染状況について
個人で訪問することが主のサービスですので、コロナ感染の報告は入所系や通所系よりは少ないです。訪問した先で利用者様やご家族から感染があったことの報告を受けることが多いです。
利用者様には利用当日やサービス直前に体温測定や体調の変化がないかを確認してサービスに入っています。
介護スタッフや利用者様の同居家族に感染者が出ている状況
同居の家族からの感染の報告が相次いでいます。会社に通うご家族からよりも圧倒的に、幼稚園や小学校、中学校、高校などに通うご家族からの報告が多いです。
同居家族から家族内感染する場合もありますし、濃厚接触者となることもあります。どちらも療養や観察期間が必要となり、仕事を休むことになります。人員不足となりサービスが潤滑にまわらなくなるなど影響がでています。
エッセシャルワーカーである介護スタッフの感染対策における日々の努力
在宅ワークができない職種であり現場での力を発揮することを求められているエッセンシャルワーカー。独身、ひとり暮らし、家族と同居しているなどそれぞれ生活環境が違います。
介護に係る職員も日々、感染リスクに怯えて生活しています。人混みを避ける、手洗いや手指消毒、外出時のマスク着用、健康管理など人一倍気をつけて一日一日を過ごしています。
仕事で関わる高齢者の方に「自分がコロナ感染者となり媒介となって感染させてはいけない」という思いが強くそれは一緒に暮らす家族にも同等のプレッシャーを与えています。
また、働く現場で感染がわかったときには「家族に感染させてはいけない」「迷惑をかけている」とも感じており、この2年間過酷な精神状態な中、笑顔を絶やさず働いているのです。彼らの労をねぎらい、感謝したいと思います。
変わってきている濃厚接触者の定義や感染者の療養期間について
コロナウイルス感染が始まってから私達は、日々か感染対策をしながら、その動向をも見守ってきました。どうしたら予防できるか、人に移さない方法は?感染してしまったらどうしたら良いのか、などわかってきたこともあります。
その強みを生かして、生活していくことがこれからも大事になります。
濃厚接触者となったら
コロナウイルス感染がわかった方との同居家族は濃厚接触者に当たります。これは食事や入浴とともにすることで近い距離にあるとの判断からです。また、感染された方と「マスクをせずに1m以内の距離で15分以上の会話をした」場合も同じです。
感染するかもしれない期間とは
陽性者が有症状であった場合は症状出現の2日前から療養期間の最終日まで、陽性者が無症状であった場合は検体採取日の2日前から療養期間の最終日までに接触があると濃厚接触者となります。
濃厚接触者になると感染のリスクが高いため。健康観察期間が設けられます。最終接触日を0日とし、7日間の自宅待機、8日目に解除となります。10日間は体温測定をして体調観察の継続をしてください。
感染者となったら療養期間はどうなるの?
有症状で感染がわかった場合と濃厚接触者などで無症状で検査の結果感染ががわかった場合の二通りで療養期間が変わります。
有症状の感染者の療養期間
発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合
無症状の感染者の療養期間
検体採取日から7日間経過した場合
療養期間中は肺炎の症状に要注意!
体調観察は大切です。体温測定は最低限していただくとして、コロナ感染された方は、肺炎の症状に注意が必要です。自治体によっては、酸素濃度を測定する機械を貸出してくれるとこともあります。ネット注文などでも意外に安価で購入できます。
発熱や咳、息苦しいなどの自覚症状の他に自分の状態変化を知る目安になるため手に入れておいて損はないアイテムだと思います。健康な方であれば100%〜98%です。数値が95%を切ってくるようであれば要注意です。
担当保健所、主治医、一人暮らしの方は離れている家族などにSOSをだしましょう。我慢する必要はありません。すぐに入院、治療へ切り替えてもらいましょう。
とにかく自分の地域でコロナ感染に関するの情報収集をしましょう
コロナ感染にかかったらどうしたらよいか、どんなサービスが使えるのかを情報収集することが大切になります。都道府県のHP、市町村のHPにはコロナ感染にかかわる様々な情報がでています。
長期化しているコロナ感染ですが、それに対応して療養の方法や受けられるサービスも変化が出ています。有益な情報があるのに知らない方が多いのです。コロナ感染や濃厚接触者になると一時的に社会から離れてしまいます。
周囲の方々も療養中の方に連絡を取ることはしなくなります。積極的に自分から情報収集をして生きていくための食料品の確保、医療面のサポートなどを受けれるようにしていきましょう。
感染者が多い地域では感染者に対して電話連絡ができない厳しい状況
以前は、感染されたすべての方に対して保健所から連絡がありました。しかし、感染者が多いい地域では保健師の仕事が回らず高齢者や感染リスクの高い方以外は電話連絡がありません。
私の地域では、原則携帯電話のSMSでの連絡が届くことになっています。連絡にも時間がかかっており2日から5日程度かかるそうです。
まとめ
私も昨年、第4波と呼ばれる時期にコロナ感染者となりました。まだ、世の中がコロナウイルス感染者に対する理解がなくつらい時期でした。コロナ感染は他人事ではありません。身近な感染症です。
いつ誰が感染してもおかしくはありません。介護現場の他に医療現場でも同じく感染は広がっている状況です。エッセンシャルワーカーの皆さまの日々の努力や働きのおかげで医療や介護の現場は回っています。
みなさんに感謝しつつ、元気な方は正しい方法で感染を予防をしながら健康を維持し、感染されたかたや濃厚接触者の方の早い回復と社会復帰を願います。
正しい情報を得て、回復を目指しましょう。